韓国の戸籍証明の本籍地を特定するためには翻訳行為が必要です。

近頃の韓国では、個人情報保護制度の遵守がより厳しくなりました。韓国政府による戸籍関係書類の請求において、その対応が非常に厳格化しております。このため、依頼するご本人様との被相続人との関係などのチェックをしたうえで対応することとなります。

 不動産相続の場合で帰化した後に亡くなっても相続登記の手続きために「韓国の戸籍証明(家族関係登録簿)等や除籍証明」が相続登記のために必要となります。被相続人の韓国時代の本籍地(登録基準地)が全く分からないケースがあって韓国領事館へ相談に行っても韓国の戸籍証明が取れないケースがあります。 その場合の相続登記手続きは複雑になりますが、結果して韓国領事館でも証明できないケースもあり、慎重な手順を踏む必要があります。

 まずは日本の戸籍を韓国語に翻訳したり、取得した韓国の戸籍証明を日本語に翻訳できないなら、最初から行政書士等の専門家に相談すべきです。 韓国戸籍を取り寄せるための最初の壁が翻訳行為です。それが自分でできないなら相続登記ができないことをご理解ください。

目次

1. 韓国戸籍証明(家族関係登録簿など)は本籍地が分からないと取得できない

  • 韓国の戸籍証明(家族関係証明書や基本証明書など)は、本籍地(登録基準地)が分からないと取得が原則できません。
  • 氏名・生年月日だけでは原則韓国領事館や大使館窓口で調べてもらえないから大変な作業になります。国籍が違うだけで相続登記手続きは複雑になるケースがありますので留意が必要です。

2. 古い日本の戸籍を探す

  • 帰化した際に作成される日本の戸籍には、「帰化前の氏名や国籍、本籍地」の記載があることが多いです。
    • まず、日本の戸籍(原戸籍または除籍)を家族・親族で所持しているものを調べて、本籍地の記載がないか確認してください

3. 「外国人登録原票の写し」を法務省に請求

  • 本籍地を調べる最も有効な方法は、法務省に「外国人登録原票の写し」を個人情報開示請求で取り寄せることです
    • これは以前、お住まいの市区町村で外国人登録していた際に作成されています。
    • 帰化者本人あるいはその直系親族など、請求権者であれば申請できますが、専門家である行政書士も可能です。
  • 外国人登録原票には、韓国時代の本籍地がかなり具体的に書かれていることが多いです(※番地まである場合も)
    • 請求方法:
      • 「法務省 個人情報開示請求(外国人登録原票の写し)」で申請書をダウンロードし、本人確認書類等を添付して郵送申請します。
      • もしお父様(被相続人)の外国人登録原票の写しも必要な場合は「死亡した外国人」にかかるものとして申請可能です

4. 民団や専門家への相談

  • もし、ご自身の手元で全く手掛かりがなければ、「地元の民団支部(在日本大韓民国民団)」や行政書士・専門業者に相談し、本籍地調査サービス(有料)を利用する選択肢もあります

5. 本籍地が分かった後の戸籍証明請求

  • 本籍地(登録基準地)が特定できたら、韓国大使館・領事館や本国役所で「家族関係登録簿等証明書交付申請書」を使って申請します。
  • 【必要書類】
    • 本人確認書類(パスポート等)
    • 帰化の旨が記載された日本戸籍のコピー
    • 相続対象者(お父様)との関係が分かる戸籍等
    • 申請書(韓国語で記入、わからなければ窓口で相談可)
  • 必要に応じて委任状や代理申請、翻訳(日本語の戸籍の韓国語訳)が必要な場合もあります

6. 注意点

  • 本籍地が特定できない場合は、戸籍取得はできません。どうしても発見できない場合は専門業者に依頼する必要がありますが、戸籍が本当に存在しない場合や北朝鮮エリアの場合などは、取得できない・困難なケースもありますのでご注意ください
  • 本籍地は「○○道○○郡○○面(邑)○○里」まで分かれば大抵はOK。番地不明でも申請可ですが、詳細情報が多いほどスムーズです

7.まとめ

  1. 本籍地不明の場合は「法務省の外国人登録原票の写し」開示請求が最優先
  2. 戸籍/除籍謄本や親族所持書類も再確認。
  3. 必要なら民団や専門家・行政書士に相談、本籍地調査サービスを活用。
  4. 本籍地判明後は、韓国領事館で相続用の家族関係登録簿等証明書を請求。

韓国領事館で証明できないケースがあります。その場合は分からないまま放置せず、なるべく早く“書類再発行の手掛かり探し”に着手したが、それができなかった専門家である行政書士の証明が必要です。その場合は個別サポートが必要な場合もありますので、難しい場合は行政書士や民団へご相談ください。

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