『信頼』という肩書~HSK試験監督官としての新たな一歩

今日は、私の中でひとつの節目となった嬉しいご報告があります。
これまで「HSK試験監督」として試験会場に立ってきましたが、このたび「HSK試験監督」としての任を受けることになりました。
肩書は少し変わっただけかもしれませんが、私にとっては「信頼」という目には見えない勲章をいただいたような気持ちです。

監督員として試験会場に立つたびに、私は「この空間で誰かの努力が実る瞬間に立ち会っている」という責任を感じてきました。
受験票の確認、時間管理、トラブル対応…一見地味な作業の連続ですが、どれも受験生が本来の力を発揮できる環境を作るための大切なピースです。
何度も繰り返すうちに、会場の空気を読み、受験生の緊張をほぐす小さな声がけや、流れを乱さない案内のタイミングが、自然と身についていきました。

「監督官」になったからといって、試験当日の業務に大きな変化があるわけではありません。
同じように静かに見守り、時間を計り、必要な案内をします。
しかし、この名称の変化は、私にとって「これまでの経験を認められ、次への責任を託された」という意味を持ちました。
特に、若い受験生が不安そうな顔で会場に入ってきたとき、かつては「自分に適切な対応ができるだろうか」と内心慌てたものです。
今では、少し微笑みかけて席を指し示すだけで、相手の肩の力がほんの少し抜けるのを感じられます。
そんな小さな成長の積み重ねが、この「監督官」という形で認められたことが、何よりも嬉しかったのです。

試験が始まれば、会場は鉛筆の音だけが響く静寂に包まれます。
私はその静けさの中で、それぞれの夢や目標に向かって集中する姿を見守ります。
肩書が変わっても、この時間に対する畏敬の念は変わりません。
むしろ、「信頼して任せてもらえた」という自覚が、一層丁寧に、しかし自然体でこの場をつくりたいという思いを強くしています。


「監督官」という肩書は、私にとって「信頼」の証です。
これからも、受験生の皆さんが安心して実力を発揮できる場所を守るという、変わらない役割のなかで、積み重ねてきた経験をていねいに活かしていきたいと思います。
小さな一歩かもしれませんが、この新たな肩書を胸に、また静かに会場に立とうと思います。


みなさんにも、肩書や役割の変化を通じて「認められた」と感じた瞬間はありますか?
それは、どんな小さな変化でしたか?

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