法人売却・事業譲渡・FIT終了前のEXIT(投資家・オーナー向け)
合同会社(SPC)ごとの太陽光発電事業の売却や、FIT期間満了を見越した事業譲渡・M&Aに伴う、再エネ特措法上の手続きをサポートします。経済産業大臣への変更認定申請(再生可能エネルギー電子申請)、周辺地域の住民への説明会・事前周知措置の準備から、電力会社への契約変更の手続きまで、一貫して対応いたします。法人の登記手続きは、提携する司法書士と連携してご案内します。
※本ページは、資源エネルギー庁「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」(いずれも2026年4月改訂)および「変更内容ごとの変更手続の整理表」(2026年4月1日更新)に基づいて作成しています。
よくある質問
2024年4月の法改正(改正再エネ特措法)により、名義変更の手続きはどう変わりましたか?
2024年4月に施行された改正再エネ特措法により、周辺地域の住民への説明会の開催または事前周知措置(ポスティング等)が、FIT/FIPの認定要件になりました。これは新規認定だけでなく、名義変更などの変更認定にも適用されます。主に次のような変更が対象です。
- 事業譲渡・合併・会社分割等による認定事業者の変更
- 株式・出資持分の譲渡等による「密接関係者」の変更(議決権の過半数を持つ株主や、合同会社の社員が変わる場合など)
- 設置場所の変更、一定以上の出力の増加
説明会等は、原則として変更認定申請の3か月前までに実施する必要があります。説明する事項には、事業計画の概要、主な出資者などの関係者情報、廃棄費用の総額・積立計画、自治体等との協定の承継などが含まれます。あわせて、説明会の録音・録画、議事録の作成、2週間以上の質問受付と書面での回答も求められます。これらの要件を満たさない場合は、認定されない、または認定取消し等の対象となります。
なお、出力10kW未満の設備と、屋根設置の設備は、説明会等の義務の対象外です。
また、説明会等の具体的な要件を定めた「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」は、2025年4月および2026年4月にも改訂されています。インターネット上の解説記事などは改訂前の内容のままのこともありますので、ご留意ください。当事務所では、最新のガイドラインに基づいて対応いたします。認定の可否は最終的に行政庁の判断によるため、結果をお約束するものではない点をご了承ください。
FIT期間が終了する前に、太陽光発電を所有する管理法人(合同会社等)ごと売却することは可能ですか?
可能です。ただし、再エネ特措法上は、法人名が変わらなくても手続きが必要になる場合があります。合同会社では社員が、株式会社では議決権の過半数を持つ株主が、再エネ特措法上の「密接関係者」にあたります。売却によってこれらが変わる場合は、変更認定申請と、それに先立つ説明会等が必要です。説明会等は申請の3か月前までに行う必要があるため、売却スケジュールには十分な余裕を持たせてください。
そのほか、売却にあたっては次の点にもご注意ください。
- 構造図や強度計算書などの事業関連書類、地元と合意した事項やこれまでの経緯を、買い手に適切に引き継ぐこと
- 買い手が外国投資家の場合、外為法に基づく届出・報告が必要になることがあること
- 買い手が「長期安定適格太陽光発電事業者」の適格認定を受けている場合、説明会等の方法に特例があること
FIT期間満了(卒FIT)を見越した資産整理やEXIT戦略として、管理法人ごと売却されるケースは増えています。資産価値を保ったまま円滑に譲渡できるよう、早めのご相談をおすすめします。なお、税務については税理士の業務範囲となります。
太陽光発電事業を「会社丸ごと(株式・出資持分)」買収・譲渡した場合、名義変更の手続きはどうなりますか?
法人名義は変わりませんが、密接関係者(合同会社の社員、株式会社の議決権の過半数を持つ株主、匿名組合出資の過半数を持つ出資者、およびこれらの親会社)が変わる場合は、「密接関係者の変更」として変更認定申請が必要です。少数株主が変わるだけなど、密接関係者に変更がない場合は、この手続きの対象になりません。主な手続きは次のとおりです。
- 変更認定申請(再生可能エネルギー電子申請):事業実施体制図、関係法令手続状況報告書に加え、合同会社は履歴事項全部証明書(登記されない社員の変更は定款)、株式会社は変更前後の株主名簿の写し等を添付
- 周辺地域の住民への説明会または事前周知措置(申請の3か月前まで。法に基づく説明会等を実施済みの案件は、変更点を中心に説明)
- 代表者・役員の変更:密接関係者の変更にあたる代表者の変更は変更認定申請、それ以外の代表者の変更は事後変更届出
- 標識の付け替え(出力10kW以上の地上設置で、事業者名や連絡先等に変更がある場合)
- 電力会社:特定契約の変更が必要な場合は、変更認定通知書の写し等を提出
- 法務局:代表者の変更、合同会社の社員の変更、本店移転等の商業登記(司法書士の業務範囲です)
同じ事業計画について、種類の異なる変更手続き(変更認定申請と変更届出など)を同時に行うことはできません。そのため、手続きの順序を含めたスケジュールの設計が重要です。また、添付する公的書類は、原則として申請日前3か月以内に発行されたものに限られます。
会社ごとではなく、発電所の事業だけを譲渡(事業譲渡)する場合の手続きは?
認定事業者そのものが変わるため、譲受人(買い手)が変更認定申請を行います。主な添付書類は、譲渡契約書(停止条件付きの場合は、条件の成就を確認できる資料も必要)、双方の履歴事項全部証明書と印鑑証明書、土地の権原を証する書類、事業実施体制図などです。
変更に伴う説明会には、原則として譲渡人と譲受人の双方が出席します。事前周知措置の場合は、双方の名義で行います。過去の説明会の録音・録画の記録は、新しい事業者へ引き継ぐ必要があります。なお、太陽光パネルは建物附属設備とは扱われないため、建物と一緒に譲渡する場合は、契約書でパネルを建物と別に明示することが必要です。
発電設備の名義変更だけでなく、法人の役員変更や登記手続きも合わせて依頼できますか?
発電設備に関する経済産業省・電力会社への手続きは、当事務所で対応いたします。法人の登記手続き(役員変更・代表社員変更・本店移転など)は司法書士の業務範囲となるため、提携する司法書士と連携してご案内します。
「商業登記」と「再エネ特措法上の手続き」は別々の手続きですが、互いに連動しています。登記事項証明書は変更認定申請の添付書類になり、変更認定通知書は電力会社との契約変更に必要です。そのため、どちらかが遅れると、売電契約の変更などにも影響します。当事務所では、両方の手続きが連動するよう、スケジュール管理を含めて進行いたします。
廃棄費用の積立義務や、名義変更時の「積立不足」への対応はどのように決められていますか?
出力10kW以上の太陽光発電設備には、原則として売電収入から源泉徴収的に差し引き、外部機関(電力広域的運営推進機関)に積み立てる制度が、2022年7月から適用されています。一定の要件を満たす場合は、例外的に内部積立てが認められます(内部積立てから外部積立てへの変更には、変更認定申請が必要です)。
また、変更認定に伴う説明会等では、廃棄費用の総額・算定方法・積立期間・毎月の積立単価、パネルのメーカー名や有害物質(鉛・カドミウム・ヒ素・セレン)の含有情報などを説明する必要があります。
制度上の積立額は、実際の撤去費用と一致するとは限りません。譲渡にあたっては、撤去費用の見積りと積立状況を確認したうえで、売買当事者間での精算や契約上の取り決めを整理しておくことが重要です。当事務所では、積立状況の確認から、譲渡時の手続き・条件の整理までご相談に応じます。
低圧の設備でも、近くに同じ事業者の設備がある場合は、説明会が必要になることがあると聞きました。本当ですか?
はい、あり得ます。同一の事業者またはその密接関係者が行う他の再エネ発電事業が、敷地境界線から水平距離100m以内にあり、それらの合計出力が50kW以上となる場合は、単体では低圧(50kW未満)の設備であっても、ポスティング等の事前周知措置では足りず、説明会の開催が必要になります。認定申請中の事業も含まれ、認定取得や設置の時期は問いません。
この場合でも、説明の対象となる住民の範囲は、高圧設備の基準(300m)ではなく、低圧設備と同じ敷地境界から100m以内の居住者です。これに、隣接する土地・建物の所有者が加わります。さらに、市町村への事前相談により対象者が追加されることもあります。複数の設備についてまとめて説明会を開く場合は、それぞれの設備の敷地境界から100m以内が対象になります。
低圧の設備を近接して複数設置しているケースは、この要件に該当しやすいため、売却・譲渡の前に周辺の設備状況を確認しておくことをおすすめします。判定には敷地の位置関係の確認が必要ですので、まずはご相談ください。
周辺地域への周知(説明会・ポスティング等)にかかる費用は、報酬に含まれていますか?
説明会等が必要かどうか、またその実施にかかる実費(会場費、印刷費、郵送費、現地調査の交通費等)は、案件の所在地や規模によって大きく異なります。説明会の場合は、市町村への事前相談、開催案内、録音・録画、議事録の作成、質問への書面回答など、準備と事後対応にも相応の作業が必要です。
そのため、説明会等が必要な案件については、行政書士報酬とは別に、実費を含めた個別のお見積りとさせていただいております。まずは案件の概要をお知らせいただければ、概算をご案内いたします。
