電動農機の補助金 石油に頼らない農業と太陽光ハウス
石油に頼らない農業へ|2026年10月時点の情報をもとに作成しています

電動農機の補助金や太陽光の補助金を使って、石油に頼らない農業へ切り替える動きが広がっています。ハウスの暖房に使う重油、トラクターの軽油。農業は、今も石油に大きく頼っています。燃料価格が上がるたびに、経営が圧迫される方も多いのではないでしょうか。

国は、農業の「脱石油」「脱炭素」を後押しするため、2027年度(令和9年度)の予算で関連する事業を広げようとしています。

この記事では、太陽光発電を使ったハウスや電動トラクターなどの電動農機に関係する、各省庁の2027年度の予算要求と、今使える電動農機の補助金などを紹介します。

はじめに:「概算要求」とは

各省庁は毎年8月末に、翌年度の予算の要望(概算要求)を財務省に出します。その後、12月に政府の予算案が決まり、翌年3月に国会で予算が成立します。
この記事で紹介する2027年度の金額や内容は要求の段階のもので、今後変わる可能性があります。

1. 「太陽光ハウス+電動トラクター」をまとめた補助金はある?

今のところ、太陽光発電・ハウスの暖房・電動トラクターを1つにまとめて補助する制度はありません。
そのため、次のようにいくつかの制度を組み合わせて考える必要があります。

太陽光発電

環境省の営農地・水面等への太陽光発電の導入促進、県の自家消費型太陽光の補助金など

ハウスの暖房

燃油からヒートポンプなどへの切り替え(農林水産省の産地生産基盤パワーアップ事業など)

電動農機

電動農機の補助金(環境省の農業機械の電動化促進事業)

2. 農林水産省:2027年度の概算要求

農林水産省の2027年度の概算要求は、総額3兆1,377億円です(2026年8月31日公表)。脱石油・脱炭素に関係する主な事業は次のとおりです。

事業名2027年度要求額主な内容
みどりの食料システム戦略推進総合対策 約76億円
(2026年度 約6億円)
環境にやさしい農業への転換を支援。次の2つの新規事業を含む
 うちみどりの加速化支援交付金(新規) 約18億円 技術の実証や、機械・施設の導入などを支援。補助率は定額・1/2以内。国から都道府県を通じて交付
 うち食農GX投資拡大促進事業(新規) 約48億円 農林漁業者と民間企業がグループ(コンソーシアム)を作って行う脱炭素の取組に、機械・施設の整備などを支援。補助率は定額・1/2以内
強い農業づくり総合支援交付金など 約138億円の内数 「CO2ゼロエミッション化」など、みどり戦略の取組に必要な施設・機械の整備も対象

ハウスの燃油からの切り替え

これまで、ハウスの暖房を燃油からヒートポンプなどに切り替える設備には、「産地生産基盤パワーアップ事業」の「施設園芸エネルギー転換枠」(補助率1/2以内など)が使われてきました。この事業は主に補正予算で組まれているため、2027年度の通常の要求資料には出ていません。
例年、年末に経済対策として補正予算が組まれます。2026年度の補正予算に入るかどうかが注目点です。

3. 環境省:電動農機の補助金と太陽光

農業機械の電動化促進事業(電動農機の補助金)

補助の内容電動農機と、同じ種類の従来型(エンジン式)の農機との価格差の3分の2(補助の上限額などは公募要領で確認してください)
対象者農業者(個人を含む)、農業者の組織、民間企業、地方公共団体など
対象機種事務局に登録された機種。2026年7月時点では、電動の運搬車、乗用草刈機、ロボット草刈機、水田除草ロボット、高所作業機などで、電動トラクターはまだ登録されていません(メーカーの申請で追加されます)
充電設備メーカーが認めたものは対象
2026年度の受付7月7日〜11月30日(予算に達し次第終了)。jGrantsで申請
事業期間2027年度まで実施予定

電動トラクターは、国内でも開発や販売が始まっています。対象機種に登録されれば、この電動農機の補助金で、価格差の3分の2の補助を受けられる可能性があります。最新の対象機種は、事務局(公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会)のホームページで確認できます。

太陽光発電

  • 営農地・水面等への太陽光発電の導入促進事業:ソーラーシェアリング(営農型)や水面に設置する太陽光を支援する事業です。2027年度は「民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」の一部として要求されています(補助率1/2)。導入費用が国の示す水準を下回ることなどの要件があります
  • ペロブスカイト太陽電池の導入支援事業:軽くて曲げられる次世代の太陽電池の導入を支援する事業で、2027年度は280億円を要求しています(2026年度は70億円)

4. 「石油に頼らない農業」の組み立て方の例

  1. 電気を作る:農地の上(営農型)や作業場の屋根などに太陽光発電を設置し、蓄電池も組み合わせる
  2. ハウスを暖める:重油ボイラーをヒートポンプに切り替え、太陽光の電気も使う
  3. 機械を動かす:運搬車や草刈機、将来は電動トラクターなどを電動化し、昼間の太陽光の電気で充電する

それぞれに使える補助金の時期や条件が違うため、どの順番で、どの補助金を使うかを計画することが大切です。

5. 電動農機の補助金に向けて今から準備しておきたいこと

  • 今年度の電動農機の補助金:農業機械の電動化促進事業は11月30日まで受け付けています
  • 年末の補正予算:ハウスの燃油からの切り替えなどの事業が入るか注目します
  • 2027年度の公募(春〜夏):太陽光の補助金は、営農型の場合農地の一時転用許可を交付申請の前までに取る必要があります。秋から冬に準備を始めましょう
  • 新しい事業:「食農GX投資拡大促進事業」など、農業者と企業がグループで取り組む事業は、仲間づくりから始める必要があります

農業×太陽光の補助金については、農業×太陽光発電で使える補助金|営農型・ため池・農業施設の2026年度制度と来年度への準備で詳しく解説しています。

6. 補助金の申請は当事務所へご相談ください

電動農機の補助金・農業の脱石油の補助金のご相談

  • 使える補助金の組み合わせと、申請時期の計画づくり
  • 補助金の申請書類の作成、完了実績報告
  • 営農型太陽光の農地の一時転用許可申請
  • 太陽光発電の各種届出

金惠英(ジン)行政書士事務所
〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町8-5-302
メール:info@fms-world.com

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