みなさん、こんにちは!宮城県仙台市を拠点に、太陽光発電の名義変更や各種変更手続き・補助金申請をお手伝いしている「金惠英(ジン)行政書士事務所」です。今回は、卒FIT太陽光で検討が増えている自己託送の費用と、得になるかを判断するための試算の考え方を解説します。
自己託送の費用はいくら?再エネ賦課金が浮く一方でかかるコストと、試算の考え方
「自己託送なら再エネ賦課金がかからないから、電気代が安くなる」――そう聞いて検討を始める事業者様が増えています。
でも本当に得になるかは、「浮くお金」と「新たにかかるお金」を比べてみないと分かりません。
自己託送は、自社で発電した電気を送配電網(電線)を通して、離れた場所にある自社の工場や事業所に送る仕組みです。この記事では、自己託送の費用を「浮くお金」と「かかるお金」に分けて整理します。
■ 自己託送で「浮くお金」
1. 小売電気事業者から買っていた電気代
自己託送で送った分の電気は、小売電気事業者から買う必要がなくなります。その分の電力量料金と燃料費調整額がかかりません。
2. 再エネ賦課金
自己託送は小売供給ではないため、送った分には再エネ賦課金がかかりません。2026年度の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円です(2026年5月検針分から2027年4月検針分まで)。
例:年間10万kWhを自己託送で送ると、再エネ賦課金だけで年間41万8,000円(10万kWh×4.18円)がかからなくなります。
■ 自己託送で「かかるお金」
一方で、自己託送には次のような費用がかかります。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 託送料金 | 送配電網を使う料金です。一般送配電事業者(東北電力エリアなら東北電力ネットワーク)の料金表で決まります。 |
| 発電側課金 | 発電所が送配電網の費用の一部を負担するしくみです。10kW以上の卒FIT設備は、調達期間が終わると対象になります。自己託送では実質的に利用者の負担になります。 |
| 計画の作成・提出 | 30分ごとの発電と需要の計画を出す必要があります。代行会社に頼む場合は、その委託費がかかります。 |
| インバランスの精算 | 計画と実際の発電・使用量がずれた分は、精算が必要です。 |
| 計量器などの工事費 | 30分ごとの値を測る計量器の設置などが必要になる場合があります。 |
| 足りない分の電気代 | 夜間や雨の日など、自己託送で足りない電気は小売電気事業者から買います。この分には再エネ賦課金がかかります。小売契約の基本料金も残ります。 |
■ 自己託送の費用を試算する考え方
得になるかどうかは、おおまかに次の式で考えます。
自己託送のメリット(年間)
= 自己託送で送る電気の量 ×(買っていた電気の単価+再エネ賦課金)
- 託送料金 - 発電側課金 - 計画代行の費用 - インバランスの精算
- 卒FITの売電で得ていた収入
特に見落としやすいのが、最後の「卒FITの売電で得ていた収入」です。自己託送に切り替えると、それまで売っていた電気の収入はなくなります。その分も差し引いて比べることが大切です。
試算で確認したいポイント
- 使う側の電気の使い方: 太陽光は昼に発電します。土日や祝日に休む工場では、休みの日に発電した電気の行き場がなくなることがあります。
- 低圧の発電所の場合: 需要が発電を下回ると、余った分の扱いに制限があります。条件は事前に一般送配電事業者へ確認しましょう。
- 単価の変化: 再エネ賦課金や託送料金、電気の単価は毎年変わります。1年分だけでなく、数年分で考えましょう。
- 設備の残りの寿命: パネルやパワコンの交換時期が近いと、その費用も考える必要があります。
■ 費用の前に確認したい「使える条件」
費用の試算をする前に、そもそも自己託送が使える発電所かどうかの確認が必要です。
- 発電設備は、原則として自社で設置したものであること(買い取った・借りた設備は原則として使えません)
- 電気を送る相手が、自社または「密接な関係」がある者であること
- 組合型の自己託送は、卒FITの発電所では使えません(FIT・FIPの認定を受けない新しい専用設備に限られます)
くわしい条件は、次のページで解説しています。
■ 自己託送の条件の確認と手続きはご相談ください
費用の試算は、電力会社や計画代行の事業者から見積もりをとって行います。金惠英(ジン)行政書士事務所では、その前提となる「自己託送が使えるかの整理」や、要件を証明する書類・組合契約書の作成、発電所の名義変更をサポートしております。
- 「自社の卒FIT太陽光で自己託送ができるか知りたい」
- 「試算の前に、条件を満たしているか確認したい」
- 「発電所の名義や権利関係を整理したい」
このようにお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
参考
- 経済産業省「自己託送に係る指針」(2024年2月12日改正)
- 東北電力ネットワーク「発電側課金の概要」
- 経済産業省「2026年度の再エネ賦課金単価」(2026年3月19日公表)
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづく一般的な説明です。実際の費用は、契約内容や電気の使い方によって異なります。


