
太陽光規制条例は、FITが終わっても、なくなりません。2027年度から、10kW以上の地上設置太陽光は、FIT/FIPの新規認定の対象外になります。「それなら、太陽光の規制条例もいらなくなるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし実際は逆で、国も自治体も、規制をさらに強める方向に動いています。この記事では、太陽光規制条例がなくならない4つの理由と、2026年からの規制強化の中身を、わかりやすく紹介します。
この記事のポイント
- 太陽光規制条例の目的は、発電を支えることではなく、地域の安全と環境を守ることです。
- FITがなくても、自家消費やPPAで太陽光はこれからも建てられます。
- 国は2025年12月に「メガソーラー対策パッケージ」を決め、2026年から規制を強めています。
- 宮城県では、森林を開発した発電所に課税するしくみも始まっています。
太陽光規制条例がなくならない4つの理由
1森林の破壊や土砂災害を防ぐため
FIT/FIPの支援がなくなっても、太陽光パネルを置くための木の伐採や斜面の造成、それにともなう土砂災害の危険は変わりません。自治体は、住民の安全と自然を守るため、条例で開発を制限し続けます。
2景観を守り、住民とのトラブルを防ぐため
大きな発電所が景色をそこねたり、住民への説明が足りないまま計画が進んだりするトラブルは、買取制度があるかどうかとは関係ありません。事前の説明や、設置してよい場所を決める条例は、これからも使われ続けます。
3条例の目的は「発電を支える」ではなく「地域を守る」
FIT/FIPは、国が発電をお金の面で支えるしくみです。一方、太陽光規制条例は、自治体がくらしの環境や自然を守るためにつくったものです。目的がちがうので、国の支援が変わっても、自治体の規制が自動的に消えることはありません。
4FITを使わない太陽光は、これからも建つ
FIT/FIPの新規認定の対象外になるのは、地上設置(10kW以上)の新しい発電所です。それでも、会社が自分で使う自家消費や、電気を企業に届けるPPAなどで、地上の発電所はこれからも建てられます。トラブルを防ぐルールとして、太陽光規制条例は引き続き必要です。
2026年からの規制強化|国の「メガソーラー対策パッケージ」
国は2025年12月、自然環境や安全、景観を守るため、「メガソーラー対策パッケージ」を決めました。太陽光規制条例とあわせて、国の法律でも規制が強まっています。
| 分野 | 主な内容 | 時期 |
|---|---|---|
| 森林法 | 林地開発の許可条件に違反したときの罰則を新設(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)。命令に従わない人の公表も | 2026年4月 |
| 林地開発の許可基準 | 残す森林の割合などを60%に引き上げ。市町村長が地元の意見を聞くしくみも | 見直し済み |
| 景観法 | 眺めのよい場所から発電所が見えないようにする基準や、規模の上限を決められることを示した | 2026年3月 |
| 電気事業法 | 工事の前に、第三者が技術基準に合っているか確認するしくみ | 改正案を国会に提出 |
| 環境アセスメント | 対象を3万kW以上から1.5万kW以上に広げる方針と報じられている | 検討中 |
| 監視の体制 | 通報窓口や「再エネGメン」の対象を、FITでない発電所にも広げる | 2026年4月から |
| 再エネ特措法 | FIT/FIPの認定や名義変更のときに、説明会・事前周知が必要 | 2024年4月から |
※ 制度は今も見直しが進んでいます。最新の内容は、各省庁の公表資料でご確認ください。
東北の太陽光規制条例と、地域共生の動き
📍 宮城県「再生可能エネルギー地域共生促進税」
宮城県では、0.5haをこえる森林を開発してつくった太陽光・風力・バイオマスの発電所に、税金をかけるしくみがあります。一方で、地域と話し合って認められた計画(促進区域など)にもとづく設備は、税がかからない道も用意されています。「森林を切りひらくより、地域と共生する場所に」という考え方です。
📍 福島市「ノーモア メガソーラー宣言」
福島市は、山地へのメガソーラーの設置を望まないという考えを示しました。東北の各地で、地域と共生できない開発には厳しく、共生できる太陽光は応援する流れが強まっています。
太陽光規制条例の時代に、発電所の持ち主がすべきこと
- 地元の条例を確かめる:発電所のある市町村や県に、太陽光規制条例やガイドラインがあるか確認する
- 説明会・事前周知をきちんと行う:新しくつくるときだけでなく、名義変更や会社の株主変更のときにも必要になる場合がある
- 決まりを守り続ける:標識・柵、点検、定期報告、廃棄費用の積み立てなど
- 地域と共生する:自治体との災害時の協定、地元の施設への電気の供給など、地域に役立つ発電所に
▶ 地上設置太陽光は2027年度FIT/FIP対象外に
▶ 再エネ電子申請のログインID・パスワードが分からないときの照会手続き
▶ 固定ページ:発電所の売買・M&Aと住民説明会(変更認定の実務ガイド)
▶ 固定ページ:卒FIT後の選択肢と比較のポイント
当事務所の考え
太陽光規制条例は、太陽光を止めるためのものではなく、地域と共生できる太陽光だけを残すためのものだと考えます。東北の自然と暮らしを守りながら、地域に役立つ太陽光を増やしていく。当事務所は、そのための手続きと、自治体との橋わたしをお手伝いします。
当事務所がお手伝いできること
- 太陽光発電の名義変更・変更認定(説明会・事前周知が必要な名義変更は東北6県+新潟県)
- 周りの住民への事前周知(ポスティング)・説明会の準備
- 発電所の持ち主と自治体の災害時の協定などの書類づくり
- 定期報告の代行、決まりを守れているかの確認


