「日本で生まれ育った息子に、韓国の兵役の連絡が来ることはあるの?」
日本で暮らす韓国籍のご家庭から、よくいただくご相談です。多くの在日韓国人の男性は「在外国民2世」として兵役が延期されますが、条件に当てはまらない、または条件から外れると、兵役の義務が生じることがあります。
この記事では、どんなときに連絡が来るのか、18歳になる前に何を確認しておけばよいのかを整理します。
在外国民2世とは
韓国の兵務庁は、外国で生まれ育った韓国籍の人を「在外国民2世」として扱い、兵役の延期などの特例を認めています。日本で生まれ育った在日韓国人の男性の多くは、この制度で兵役が延期されます。
在外国民2世の条件(兵務庁の案内より)
- 外国で生まれた(6歳になる前に出国した人を含む)
- 17歳になる年の12月31日まで、続けて外国に住んでいる
- 本人と両親が、その国の国籍・市民権・永住権を持っている(日本の場合は永住者・特別永住者)
※ 17歳までに韓国の小・中・高校に通算3年以内通った場合は、外国に住み続けていたものとして扱われます。ただし、17歳までの1年間で韓国に90日を超えて滞在した年があると、在外国民2世とは認められません。
在外国民2世であることの確認は、日本に住んでいる方は大使館・総領事館に申請します。
兵役の連絡が来やすいケース
① 両親が永住者でない
両親が就労ビザなどで暮らしていて、永住権を持っていない場合は、在外国民2世の条件を満たしません。比較的最近来日したご家庭や、駐在員のご家庭に多いケースです。
② 6歳を過ぎてから来日した
韓国で生まれ育ち、6歳以降に日本へ来た場合は、在外国民2世になれません。
③ 韓国に住所が登録されている
本人の住所が韓国に登録されていると、兵役判定検査などの通知書がその住所に送られます。
④ 韓国に長く滞在した
18歳になる年の1月1日以降、韓国での滞在が通算3年を超えると、在外国民2世ではなくなります。韓国への留学や就職がきっかけになることがあります。
⑤ 永住帰国の届出をした
本人または両親が韓国へ「永住帰国」の届出をすると、在外国民2世ではなくなります。
⑥ 国籍離脱をしなかった
日本と韓国の両方の国籍を持つ男性が、18歳になる年の3月31日までに国籍離脱申告をしないと、原則として兵役義務を終えるまで韓国籍を離れられなくなります。
あわせて知っておきたいこと
- 在外国民2世は、韓国で働くこと(就職・アルバイトなど)もできます。ただし、韓国での滞在が18歳以降で通算3年を超えると在外国民2世ではなくなるため、長期の就職や留学の前には必ず確認しましょう。
- 在外国民2世に当たらない人は、25歳になる年の1月15日までに、総領事館を通して「国外旅行(期間延長)許可」を受ける必要があるとされています。
- 在外国民2世ではなく、国外移住を理由に延期を受けている人は、1年のうち6か月以上韓国に滞在したり、韓国で営利活動をしたりすると、延期が取り消されることがあるとされています。在外国民2世とはルールが違うので注意が必要です。
- 延期は37歳まで認められると案内されています。
- 連絡が来ないから大丈夫、とは限りません。韓国に住所がないと通知書が届かないだけで、必要な手続きをしていないと違反の扱いになるおそれがあります。
※ 上の内容は、在外公館などの案内をもとにした一般的な説明です。最新の取扱いは、管轄の大韓民国総領事館(東北にお住まいの方は駐仙台大韓民国総領事館)や兵務庁でご確認ください。
18歳になる前に確認したいこと
- 両親の在留資格は永住者・特別永住者か
- 本人が日本で生まれたか、何歳で来日したか
- 17歳までに、1年で90日を超えて韓国に滞在した年がないか
- 本人の住所が韓国に登録されていないか
- 韓国への留学・就職の予定がないか(18歳以降の滞在は通算3年まで)
- 日本国籍も持っている場合、国籍離脱の期限(18歳になる年の3月31日)を過ぎていないか
2009年生まれの男性は、国籍離脱の期限が2027年3月31日です。書類の取得には時間がかかるため、早めの準備をおすすめします。
当事務所がお手伝いできること
兵役についての最終的な判断は総領事館や兵務庁が行いますが、当事務所では、その前に必要な書類の準備と手続きをお手伝いします。
- 家族関係登録簿(基本証明書・家族関係証明書など)の取得と翻訳
- 日本と韓国の両方の国籍をお持ちの方の国籍離脱申告のサポート(書類準備・領事館への同行)
- 帰化した方の国籍喪失申告のサポート
- 総領事館に確認するときに必要な書類の整理

